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ミセス・ダウトのsayuriasamaのレビュー・感想・評価

ミセス・ダウト(1993年製作の映画)
4.3
離婚、仕事、そして家族...コメディでありながら人生の奥深さを教えてくれる作品

断捨離発掘映画祭その3
この映画、昔よくみていました。最近は見返していなかったなあということでレビュー

あらすじ
失業中のダニエルは子煩悩な父親ではあったが、家事の協力はせず、子供じみたトラブルを持ち込んでばかり。インテリアデザイナーの妻・ミランダは、そんな夫ととの日々に疲れはてていた。
あることをきっかけにミランダはダニエルとの離婚を決意。失業中で生活能力のないダニエルは養育権を奪われ、短時間の面会のみしか許されなかった。そんな時、ダニエルはミランダが家政婦を募集していることを知る。彼は元々俳優。持ち前の演技力と女装の特殊メイクによって素晴らしい家政婦の見た目は手に入れ子供たちとのひとときは楽しめたものの、肝心の家事の腕はダメダメ。さて、ダニエル、いやミセスダウトファイアの運命はいかに?

内容通り、本当に笑えます。家事をめちゃくちゃにやり、取り繕ったり。元妻の交際相手に嫉妬したり。出てくるキャラクターがしっかりしているので安心して見ていられます。
しかしこのストーリーの良さはただ笑えるというわけではなく、笑うからこそ見えてくる人生の悲哀のようなものが見えてくるところが非常に良いです。人生は一面的ではないですからね。

ダニエルを演じるのはロビンウィリアムズ。いやーーハイテンションのマシンガントークから、ダメ親父、そして上品で人生経験豊かな家政婦のキャラの使い分けは最高です。でも、それはすべて「子供たちに会うため」というテーマがあり、それを突き詰めるほど「夫としては?」というテーマが浮かび上がる不思議。サリーフィールズも美しい妻、キャリアウーマン、そして母親とスーパーウーマンだけど、悩みの多い女性を好演だったなあ。
ダニエルの恋敵、スチュアートには007ことピアースブロスナン。パーフェクトな男性です。それに対してジェラシーをぶつけるダニエルには大ウケです。ライムを投げたりって子供か(笑)

でもなあ、ロビンウィリアムスもあの世ですか...コミカルな演技、シリアスな演技どちらも素敵で好きな俳優さんなんですけどね。コミカル・シリアス二刀流タイプって、類いまれなる観察力と表現力に恵まれた反面、自分の素のキャラとの違いに悩んだり、細かいことが気になって神経休まらなくて命を削ってしまったりなんだろうなあ。依存症にもなっちゃう位繊細なんでしょう。
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