厳しい家庭で育ち、その反発から家出した娘が7年の絶縁を経て、映画づくりに没頭。そこで実は歌手になりたかった父と映画づくりの現場で活躍する母親像という知らなかった両親を再発見する。娘である監督からの和解と恋文その両方を兼ねているが韓国国籍ながらもシドニー育ちのオーストラリアンでもある作者の素顔が見えてくる。

併映「愛についての実話」
映画祭に行ったら2人の男性と恋に落ちるという倫理観の外れた監督に呆気。韓国系に対する偏見、アジア系男性のコンプレックスなど地域性の違いがよく表れている。ベッドにカメラを持ちこむことは今では発想としてはザラな気がするけど90年代終わりの当時のドキュメントとしては話題になるのは分かる。

「ハイウェイで泳ぐ」
ウー・ヤオドン
国慶節に西門町の花火の下で煙草を吸い台湾ビールを飲み語る1人の男。HIVウィルスに感染しながら生きている30歳の男だが、自分なんぞ「河原の小石」だと言う。撮る者と撮られる者、カメラを通して友人として誠実と信頼の試し合い合戦が行われている。そこには確かに2人が居た。素晴らしく良いドキュメント。

• #mingo2022

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