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久しぶりに鑑賞
すごく野心的な作品だ。
確かに反戦映画だと思う。
しかし、単純な反戦映画ではない。
軍や国家の欺瞞を指弾しながらも、その表現方法は独特だ。
乾いたような突き放したような演出もとても印象的である。
たまに80年代の映画を馬鹿にしたようなコメントを見るが、その人たちに70年代のこの作品を是非とも観て欲しいものだ。
コッポラ監督渾身の作品だが、この作品で巨額の借金を負ってしまい、えらい目にあったという話も聞いた事がある。
実にお気の毒だ。
今こうして私に評価されて、その苦労も報われた事だろう。
キャラクター造形も面白い。
ロバート・デュバル演じる決して負傷しないサーフィン好きな中佐が秀逸だ。
殺戮のあとに人道的な言動を示したりするが、心ここにあらずで、まるでコメディである。
一方、マーロン・ブランド扮するカーツ大佐は国家の欺瞞に対する象徴的な人物として描かれている。
この二人の対比が面白い。
マーチン・シーンが若く男前で驚いた。
エミリオ・エステベス、チャーリー・シーンのお父さんとして有名だが、息子たちより男前だ。
自信を持ってよし。
ハリソン・フォード、ローレンス・フィッシュバーンもいるよ。