T太郎

地獄の黙示録のT太郎のレビュー・感想・評価

地獄の黙示録(1979年製作の映画)
3.9
450
久しぶりに鑑賞

すごく野心的な作品だ。
確かに反戦映画だと思う。
しかし、単純な反戦映画ではない。
軍や国家の欺瞞を指弾しながらも、その表現方法は独特だ。

乾いたような突き放したような演出もとても印象的である。

たまに80年代の映画を馬鹿にしたようなコメントを見るが、その人たちに70年代のこの作品を是非とも観て欲しいものだ。

コッポラ監督渾身の作品だが、この作品で巨額の借金を負ってしまい、えらい目にあったという話も聞いた事がある。
実にお気の毒だ。

今こうして私に評価されて、その苦労も報われた事だろう。

キャラクター造形も面白い。

ロバート・デュバル演じる決して負傷しないサーフィン好きな中佐が秀逸だ。
殺戮のあとに人道的な言動を示したりするが、心ここにあらずで、まるでコメディである。

一方、マーロン・ブランド扮するカーツ大佐は国家の欺瞞に対する象徴的な人物として描かれている。

この二人の対比が面白い。

マーチン・シーンが若く男前で驚いた。
エミリオ・エステベス、チャーリー・シーンのお父さんとして有名だが、息子たちより男前だ。
自信を持ってよし。

ハリソン・フォード、ローレンス・フィッシュバーンもいるよ。
T太郎

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