T太郎

モービウスのT太郎のレビュー・感想・評価

モービウス(2022年製作の映画)
3.6
1052
マーベル版バットマンといったところか。
哀しきコウモリ男の物語だ。

ストーリーは簡潔にして明快。
分かりやすく面白かった。

主人公はマイケル・モービウスという天才的なお医者さんだ。
彼は幼い頃から重い病と戦いながら生きてきた。
顔面はげっそりとしていて、青白さを通り越して土気色だ。
歩行もままならないほどの状態。
余命幾ばくもないという状況だ。

マイケルには少年時代からの親友マイロがいる。
マイロもマイケルと同じ病気を抱えていて、病状は似たり寄ったりだ。

マイケルは親友マイロの命を救うために医者になり、治療薬の研究に没頭してきたのだ。

そして、遂にその最終段階までこぎつけた。
マウスでの実験に成功したのだ。
無駄な時間は残されていない。
早急に臨床試験をしなければ。

という訳で、マイケルは自らそのお注射を打つのである。

ただ、そのお注射には禁断の成分が使用されていたのだ。
そう、吸血コウモリのDNAである。
血液の凝固を遅滞させるとか色々理由があるようだが、これは危険な香りがプンプンする。

しかし、果断にもマイケルはそのお注射をブスリと!
・・するとどうでしょう!

マイケルは超人的なパワーを持つ吸血コウモリ男へと変貌を遂げたのだ。
血色も良くなり、ガリガリ君だった体もムキムキ君に。
無敵のパワーを誇るスーパーヒーローへと生まれ変わったのであった!

しかし、そう話はうまくいかない。
彼は人間的な性質を残しつつ、吸血コウモリの特徴も色濃く受け継いでしまったのだ。

その最たるものが、食の好みである。
そう、人間の血液が大好物になってしまったのだ。
全くやれやれである。

なぜ、そのような付帯条件をつけるのだ。
可哀想ではないか。
普通にスーパーヒーローでいいぢゃないか。
スパイダーマンなど、食の好みは一切変わっていないぞ。
機嫌よくハンバーガーとか食べていたはずだ。

まあいいだろう。
困難を乗り越えてこそのスーパーヒーローだ。
精進していただきたい。

そんなマイケルの前に立ちふさがる今回の敵は一体誰なのか?
強いのか弱いのか、あるいは普通ぐらいなのか?

乞うご期待である。

このマーベルシリーズは、エンドロールでも楽しませてくれるから好きだ。
王将の天津飯の次に好きだ。
今回もそこはきっちり押さえられていて良い。
シリーズを観続けてきて良かったと思う瞬間である。
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