8Niagara8

地獄の黙示録の8Niagara8のレビュー・感想・評価

地獄の黙示録(1979年製作の映画)
4.1
スケールが桁違い。
映像が素晴らしい。40年以上の隔絶を感じさせないほどに美麗でスタイリッシュなカメラ。あらゆるシーンが印象的。
カーマイン・コッポラの劇伴も見事。

ベトナム戦争に対する否定は往々にして存するわけであるが、このアプローチによって完成させたコッポラはやはり圧倒的である。
かつての英雄的人物の転落はある種の厭戦的なものを纏いながら、それでいて軍人としての美徳を巻き込む。
カーツの登場によってそれまで画面に描かれたものに過ぎなかった死に急激に接近する。
カーツの全貌は把握するとも難しく、底知れぬそのキャラクターが作品の雰囲気を完成させる。
戦争のあらゆる欺瞞。
そこに隠された現実とそれに対する疑心が我々を翻弄する。
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