品川巻

殺し屋1の品川巻のレビュー・感想・評価

殺し屋1(2001年製作の映画)
4.4
低評価ばかりだったので身構えて観てみたけど、個人的に絶対観たかったシーンも全部入っていて原作ファンとしても満足だった。

ハリウッドで初仕事をした浅野忠信は当初全く相手にされなかったのに、あの「カキハラ」だと認知された瞬間にたちまち人気者になったという逸話があるほどの当たり役。(あのくらいビビッドで大袈裟なグロを押し出したことが海外でウケたのかもしれない。)
原作の垣原と似ても似つかないのに大正解を叩き出していたし、ジョーカーばりの変質者なのにたまに怖がりを見せる人間味に関しては漫画そのもの。あと、大森南朋の歯を剥き出した顔がイチそっくり!やば!

泣き虫ドSバイオレンス殺し屋のイチ×口裂けドMサイコ組員の垣原。トラウマを原動力にして号泣しながら人々を切り刻むイチと、イチが生み出す痛みを欲する垣原の攻防から目が離せない。一見弱そうで泣いてばかりのイチが最も狂っているという意外性に意表をつかれる。ラストは原作の方が好きだけど、歯切れよく終わらせるためには仕方なかったのかな。現代でリメイクしたら誰にやってもらいたいか話し合いたい。
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