安堵霊タラコフスキー

扉の陰の秘密の安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

扉の陰の秘密(1948年製作の映画)
3.8
一目惚れした男と結婚したけど一緒に暮らすにつれ不信感を募らせる女、というヒッチコック的題材だけど映像を見るとやはりラングらしい作品となっていた

囁くようなモノローグに影が不気味な印象を持つ映像、そしてナイフのように鋭く岩のように重苦しい演出の数々は、ストーリーを抜きにしても抜群の面白さがあり、ラングの作品ってのは本当に見応えがあって良いなと終始思わせられっぱなしだった

曰く付きの部屋を再現する夫の良い趣味にもいろんな意味で苦笑もので、部屋が表す人間の内面というテーマと合わさりこの作品を特別なものとしていた

ラストの展開はちょっと拍子抜けだったけど、それまで巨匠の演出力をたっぷり見せられたので概ね好印象