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さくらももこワールド ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌のGTのネタバレレビュー・内容・結末

4.9

このレビューはネタバレを含みます

権利の関係で長らくDVD化されず、「幻の作品」と呼ばれていた本作。ある日私のスマホが「本日からレンタル開始!」とフィルマークの通知を表示したため仰天して、ソッコーで(ではないけど)TSUTAYAで借りてきた次第。
名作と名高い本作だが、断言する、本当に名作だ。「ちびまる子ちゃん」といえばどちらかというと日常系ギャグアニメというイメージがあるだろうが、本作は確かに随所に笑える部分は鏤められているものの、基本的にかなりシリアスな作品だ。まる子と絵描きのお姉さんであるしょう子との出会いと別れを描く、ありがちといえばありがちな作品だが、それでもしっかりとこちらを泣かせてくれる。まる子と絵描きだけではなく、サブキャラたちにもちゃんと出番を与えてくれているので、見ていてとても楽しい。特に絵描きの事が気に入り彼女の家に入り浸るまる子に対し、仄かな嫉妬を感じて機嫌が悪くなるまる子のお姉ちゃんにはグッときた。別れる時が来て涙を見せるまる子に寄り添ってくれるのがそのお姉ちゃんというのが、なんとも泣ける。
そしてなんといっても、この映画の目玉は音楽とアニメーションが融合した「音楽パート」だろう。ノリノリの大瀧詠一をBGMに、ややサイケデリックなアニメーションが流れる映画の冒頭からして、速攻で私たちをぶち上がらせてくれる。
唯一気になったポイントが、結婚して北海道に行くことを提案するも、しょう子が東京に固執するのに対して、彼氏である良一が「君は自分の夢を優先するんだね…」というシーン。どうも自分勝手という感じがして、なんとなく嫌なものを感じてしまった…。
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