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グレンとグレンダのmのレビュー・感想・評価

グレンとグレンダ(1953年製作の映画)
3.0
なんか・・・ものすごく真面目な映画だった。両性具有の人が主役のB級SFみたいなのを想像していたから驚いた。すごく真面目な、教育映画みたいな感じ。

途中でチャルダッシュの音楽に合わせて延々と繰り広げられる「セクシー・シーン」(?)は長すぎて辟易したが、それ以外は結構見られた。かの有名なエド・ウッド監督作品と知らずに見たせいか、私の感想は「これは教育映画なんだな」でした。女装癖とか両性具有とか性転換とか、そういうのに対する理解を促すプロパガンダ映画なのだと。


女装癖のある若者が、女装が原因で警察に捕まるのを恐れて自殺してしまう。その事件を担当した警部が、世の中にたくさんいると言われる服装倒錯者や性転換手術をする者たちの心理を理解しようと専門家の元を訪ねる。専門家はその理解を促すために自分が担当したケースを紹介する。

一例目がグレンとグレンダで、彼は女装癖のある服装倒錯者。優しく賢い婚約者がいるが、女装をやめられないし、結婚する前に彼女に打ち明けるかを悩んでいる。愛する彼女を失いたくない彼は悩んだ末に打ち明ける。

二例目は偽両性具有のアランとアンのケース。アランは少年時代から女装が好きで、自分が両性具有であることから性転換手術で女性になる道を選ぶ。

これら二つのケースを彼らの心情に寄り添いながら、彼らを理解できるように丁寧に紹介しつつ観客に理解を促す、という教育映画になっていた。言い換えればある種のプロパガンダ映画と言えると思う。

ちなみにベラ・ルゴシは登場人物ではなく、ストーリーテラーとして登場。彼特有の「演劇的な演技」を炸裂させている。
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