Morohashi

ともしびのMorohashiのレビュー・感想・評価

ともしび(2004年製作の映画)
3.0
端的に言って、これは悪質なストーカーの話。
「愛がなんだ」に少し似ているけれど(なんと、男の名前はどちらもマモル!)、この映画では裕子はマモルに全くアプローチしていない。おそらくマモルは、となりの部屋に住んでいる裕子がどんな気持ちなのかはおろか、自分に興味を持っているということすら気づいていないんじゃないかと思う。
裕子は尽くすことで自分の存在意義を見つけることができるタイプ。
裕子にとっては、マモルのことを見ていられればそれでよかったんだろう。付き合う気があったのかは、正直謎。

やっぱりわからないのは、自分で取ろうと思っていたものを他人に取られ、耳をそばだてることしかできなかった裕子はあのとき、何を思ったのか?っていうこと。
取られた女に抱かれることで、裕子はマモルと同一になったという実感を得たんだと思う。
でも、マモルを手に入れたいっていう願望はなかったのだろうか?
手に入ってしまってはつまらない、っていう感覚なんだろうか?

でも、だから裕子は図書館勤務なのかなとも思う。
図書館の本はどんなに長く借りても自分のものになることはない。
自分のものにしたいのではなく、自分が管理したいだけだったのかなと思った。
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