人生に迷っている人、最近落ち込み気味な人、考えないといけないことがいっぱいあって今窮屈な人。無性に旅がしたいと思っている人。
そういう人にお薦めです。
鑑賞のポイントは『理屈は考えずに観る事』。
そして見所は『言葉』、です。
失業と失恋のWパンチをくらった青年に、さらに追い討ちをかけるように父が死んだという知らせが入り、父の故郷へ向けて急遽旅することに。その途中でちょっと変わった女性と出会い・・・。
という、ロマンチックコメディ&ロードムービーな映画です。
その彼女をキルスティン・ダンストが演じていますが、こういう役が本当に上手いです。すごく美人に見えたり、あれ?ってくらい不細工に見えたり。
明るいのに、寂しげで、バカっぽいのに、賢い。
彼女の魅力が充分堪能できる映画でもあります。
オーランド・ブルーム演じる彼が、君はとてもユニークだ、なんて言ってたけど、魅力的な人ってのはみんなきっとユニークなんでしょうね。
こういう女性と結婚できた男性は幸せになれるんだろうなー、なんて、女の私が思ってしまうほど魅力的な彼女だったけれど、でも、もし彼女と出会ったタイミングが、彼が成功の真っ只中にいる時だったらどうだったんだろう?
きっと変な女ってだけで片付けられて、『印象には残るけどすぐに忘れられてしまう女』になっちゃうんでしょうね。
出会いにはタイミングってものが必要なんです。
そして、映画との出会いも正にそのタイミングが一番重要。特にこの映画は、タイミングを選ぶ映画なような気がします。
タイミングがバッチリ合った人は高評価をし、ずっと好きな映画としてその人の中に残り続ける。惜しくもタイミングを外してしまった人の評価は自ずと低くなり、すぐに忘れられてしまう。
でも、忘れられるには勿体ない映画だと思います。特に言葉の数々がとてもユニークで、素晴らしいです。
私的なタイミングはバッチリとまではいかないまでも、そこそこのタイミングでこの映画に出会えたので高評価です。そして今後、自分がガクっと落ちちゃった時に観れば、元気を取り戻させてくれる気がします。心強い味方ができたって感じ、ですね。
特に印象に残った言葉として次の言葉を挙げておきます。
『無難に生きてきた者には、大失敗は起こらない』
『大失敗しても根性でしがみつくの、笑って見返してやるの、それが偉業ってもんよ。』
それから、
彼の「君は素晴らしい、最高だよ」という褒め言葉に対して彼女が言う台詞、「アイスクリームはいらない。だって甘いけど5分もすれば溶けてしまうでしょ」という台詞もかっこよかったです。
これ以外にもきっと心にコツンと響く言葉に出合える映画だと思います。
タイミングを見計らってご覧下さい。