スローターハウス154

エリザベスタウンのスローターハウス154のネタバレレビュー・内容・結末

エリザベスタウン(2005年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

2020/9/16

初秋になったら観ようと思っていた映画。

仕事の大失敗での絶望のさなかに舞い込んだ、父の死。
父のことは知っているつもりだった。でも最近疎遠になっている間にこんなにもたくさんの人に愛されていたなんて、やっぱり父のこと知らなかったんだな~と悟る主人公。
そんなパパが死んだのは気の毒だけど、彼の死がなければ、絶望にとらわれて自殺を選んだ主人公の葬式になっていただろう、ということで父の死はナイスタイミング。
そしてそんな父の訃報は、異様になれなれしい客室乗務員との出会いも導いた。明るくも若干謎めいている彼女のペースに飲み込まれ、まんまと魅せられてしまう主人公。
そしてこの彼女、どうやらちょっと虚言癖がありそうだ。終始存在を匂わせているベンとかいう男も多分架空の人物の気がする。
葬式が無事終わると、彼女はよくわからない理由で主人公をフる。
そうして彼女は主人公を一方的に放り出すのだが、彼女は主人公に旅に出なさいと告げ、ルートと道中車の中で聴く曲まで指定しためちゃくちゃ分厚いマップ(こんなん、どこに作る暇あったんだと衝撃を受けたが、そういう細かいところは気にするべきではないらしい)を手渡す。こういう、自分自身を相手の思い出に植え付けさせるような振る舞いに彼女の強引さや支配欲を感じるし、この彼女、ひょっとしてサイコパスみあるヤバい人なんでは?と思ってしまったのだが、人生で傷心を負った男としては、気を紛らわすために無理にでも何かしら目的を作ってそれの遂行を試みることもまあ大事なのかなとも思うし、あるいは仕事の大失敗と父の死という一気にライフイベントが押し寄せたことで判断力が鈍っているのかもしれないし、それ以前に恋は盲目だし、もともと女性の尻に敷かれがちなタイプなのかもしれない。
とにかく、この映画は男目線からしか描かれていないので、終始彼女の行動は主人公をマインドコントロールしているかのようで、個人的にはちょっと気持ち悪さを感じる。

そういう傷心の恋愛模様とは別に、家族の葬儀の話なんですけど、基本内輪話で盛り上がってる感じなので、視聴する側としてもまるでよく知らない人の葬儀に参加させられているみたいでした。