ゆべし

Dr.Tと女たちのゆべしのレビュー・感想・評価

Dr.Tと女たち(2000年製作の映画)
2.5
「リチャードギア演じるモテ医者キャラのラブコメ」云々の陳腐なコピーと糞ダサいポスタービジュアルに萎えて敬遠していた後期アルトマン作品だが実際観たら「ナシュビル」「ショートカット」構造の群像劇で映画全編どこをとってもアルトマン印で楽しめた。全くもって所謂ラブコメではないので、この映画は配給が売り方を間違えている。
テキサス州ダラスが舞台でアルトマンらしいアメリカ文化への皮肉ブラックユーモアが満載。
典型的田舎娘でチアガールのディーディーが実はレズだったり、妹コニーはJFK暗殺現場ツアーガイドをしている陰謀論者で「陰謀ミュージアム」に勤めているとか、癖のある登場人物が沢山、適度に老いや精神病、ゲイ等の人間ドラマもあって良いバランス。
混沌と展開した群像劇を最後にどう纏めるのか?「ショートカット」の大地震、「マグノリア」の蛙の雨に近しいかなり大技な〆の結末も「どういう事?」な感じがアルトマンらしくて好き。
傑作とは言えないけどアルトマン好きなら観る価値あると思う。
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