ハレルヤ

禁じられた遊びのハレルヤのレビュー・感想・評価

禁じられた遊び(1952年製作の映画)
3.9
1940年6月のフランス。ナチスドイツの侵攻により住むところを追われた少女ポーレットの家族。逃げる途中で機銃掃射の攻撃を受け、両親と愛犬が死んでしまう。1人残されたポーレットは少年ミシェルと出会い、彼の家族に迎え入れられる。2人の無垢な交流を描いた戦争ドラマ。

有名な作品ですが今回初鑑賞。2人の子供の姿を通じて戦争の悲惨な実態が浮かび上がります。まだ5歳で自分の両親が死んだという事すらもよく分かっていないポーレット。彼女の純粋な姿がまた心に響いてきました。ブリジット・フォッセーの当時5歳とは思えない自然な演技は本作の核とも言えるでしょう。

兄貴的な存在になるミシェルとお墓作りをする事で十字架を使うも、それを巡ってトラブルが続発。ミシェルの家の隣人との軋轢や、ミシェルの兄の死など様々な展開もあります。

そしてラストはかなり悲痛な幕切れ。これからポーレットはどうなるのか。色々と考えてしまうラストでしたが、これも戦争の非情な現実の1つ。こんな思いをした子供たちが戦時中どれほどいたのか。本当に胸が傷みました。

あの有名なギターの調べもこの作品を象徴するかのように悲しげな響きでしたし、短い時間でしっかりとまとめた内容も良かったと思います。「太陽がいっぱい」のルネ・クレマン監督の手腕はやはり伊達ではありません。
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