Yuki2Invy

暗い日曜日のYuki2Invyのレビュー・感想・評価

暗い日曜日(1999年製作の映画)
4.0
話のみなら、少し陰惨なるとある実話エピソードにインスパイアされた物語とゆーコトなのでして、のみならず(映画としては)歴史ものの戦争もののナチもの、というやや取扱注意的な代物でもありますね。更に更に、登場人物(主に4人)のキャラだって総じて全く一筋縄ではいかない様な曲者揃いでもあり、また根本的なジャンルとしてだってロマンスなのかサスペンスなのかドラマなのか・後味だって甘いのか苦いのか寧ろ爽やかなのか、率直にちょっとモ~「複雑怪奇」とすら言いたくなる様なかなり高度な作品だと思われるのですよね。がしかし、その一方でナンなんですかこの完成度の高いシナリオは⁉あらゆる要素・伏線がモノの見事に全部嵌ってゆく精密さ&無駄の無さには、唯々素晴らしいの一言しか在り得ません。確実に隠れた名作と言って好い作品でしょう(必見ですね)。

一点、特に(前述の)キャラの複雑さという意味では、善悪や熱さ冷たさが少し(人の中で)分ち難い…というコトの結果として、もしあんな狂った戦争が起こらなかったなら、あの4人の運命は全く違ったモノに成ったのだろう…という実感をラストに得られたコトそのモノが(私としては)特に心地好い哀愁に為ってくれたのがとても好かったです。もう一つ、重ね重ねコレ程の完成度を誇っていながら中で何より、そもそものあの「歌」の多層的なるイメージとも、全体としての本作の雰囲気がイチバン見事に合致していた…とゆーのが最高に素晴らしかったと思うのですよ。優れた芸術をアウトプットする為には、同時にまた正しいインプット(と正しい解釈のプロセス)が必要不可欠なのだ…とでも言って置けば好いでしょーかね
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