Taul

2001年宇宙の旅のTaulのレビュー・感想・評価

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)
5.0
『2001年宇宙の旅』の名シーン。猿人の投げた骨が宇宙船へ変わる。あの宇宙船は核ミサイル搭載の人工衛星で、骨から核への武器の変化を意味し、「人類の進化とその変わらぬ業」を描いたといわれている。史上最も時空を超えたジャンプカット。

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時空を超える映像表現は映画の醍醐味。「2001年宇宙の旅」の骨から宇宙船の超ジャンプカット、「ラストエンペラー」の壺のコオロギ、「コンタクト」の宇宙から少女の瞳への変化、「フィールド・オブ・ドリームス」の若き父とのキャッチボール。こんな作品のテーマを表すようなのは最高。震える。

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『2001年宇宙の旅』はエンドロールに大きく「in CINERAMA」とクレジットが出る。これをシネラマの横幅30m級の大スクリーンで見た人がうらやましい。大阪ではOS劇場の91年の閉館時にも上映したみたいですね。

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『2001年宇宙の旅』この人類遺産と僕との出会いは80年代のリバイバル上映。オープニングでぶっとび、史上最大のジャンプカットの瞬間「変われ」と思って、当たっことを興奮して友達に話して帰った記憶がある。劇場では数年前に午前十時の映画祭で見たが、今回しっかりエキスポIMAXで見直そうと思う。

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『2001年宇宙の旅』IMAX次世代レーザーで鑑賞。@109シネマズ大阪エキスポシティ。先日の70mmフィルム上映は未見。やはりこの映画は大画面、大音響だ。その情報量で特撮が分かる部分は増えるも逆に緻密な仕事ぶりとアイデアにひれ伏す。音の迫力もあり今回は恐怖さえ感じた。人類遺産を堪能です。

『2001年宇宙の旅』今回のIMAX鑑賞ではその映像と音の迫力から解釈を再考するといった余裕が持てず、もう臨場感に埋没。何てエモーショナルでサスペンスフルな映画なんだと感じた。数少ない感情を表すカメラワークが絶妙で、猿人、船長、HAL。それぞれの恐怖や怒り、狂気、そんな感覚が強く渦巻いた。
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