あんがすざろっく

2001年宇宙の旅のあんがすざろっくのレビュー・感想・評価

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)
5.0
そろそろこの作品のレビューに手をつけますか。ちょっと姿勢を正したくなってしまう。

静かな漆黒の闇。やがてスクリーン後方から、朝日のように浮かんでくる流線形は、私達の住む惑星、地球。「ツァラトゥストラはかく語りき」がバックに流れるこの有名なオープニングシーンは、この曲がまるで本作の為に作られたかのようで、この後「ツァラトゥストラ~」と「2001年宇宙の旅」は、お互いに切っても切り離せないことになる。「美しき青きドナウ」も然りだ。映画は多くを語らず、故に見る人によっては非常に難解だ。気軽に見れる作品でもない。ただ、一度この映画を体験すると、それまでの映画に対する価値観がガラリと変わるはずだ。この作品が1968年に作られたことを考えれば、キューブリックもクラークも、どうしてここまで2001年という時代の到来を読んでいたのか、本当に驚かされる。彼らが作りあげたのは、映像と音楽で全てを語る、SF文学だ。宇宙は何処までも広く、暗く、無であり、恐怖の念さえ抱かせる。そして同時に神秘的である。この作品に、余計な言葉は要らない。未だこの作品がSF映画の金字塔であるのは、この作品より上にも下にも、出来も不出来も、比較できる対象がないからだ。どの作品も真似は出来ず、追従も許
さない。一本の映画である前に、「2001年宇宙の旅」は、「2001年宇宙の旅」という存在そのものだからだ。ワン・アンド・オンリー。スコアだって、本当はつけられるものではない。でも自分に与えてくれた影響も計り知れないので、ここでは最高の5.0。でも、多分5.0以上。
DVDを見る時も、しっかり時間を確保して、気持ちを整えてからでないと、なかなかプレーヤーには入れられない。だから、DVDでの鑑賞回数は両手で数えられるくらい。それでも2001年のリバイバル上映で大スクリーンで観れた時の静かな興奮は、言葉では言い表せない至福でした。
今の文章力ではこのレビューが限界。いずれまた更新する日が来るのだと思うけど。それだけ、この作品を語るには、理解するには、
まだまだ何かが足りない。自分の未熟さを痛感させられる作品でもあります。
この作品は、私達を未知への世界へと誘う扉だ。宇宙をたゆたう、幻惑と色彩の洪水への入口だ。一度足を踏み入れれば、もう後戻りはできない。
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