菩薩

式日-SHIKI-JITSU-の菩薩のレビュー・感想・評価

式日-SHIKI-JITSU-(2000年製作の映画)
4.0
リリイ・シュシュ前年の最強デストルドームービー。病める者にはただのセラピーでしかないし、そうでない者には単なるホラーにしか思えないかもしれないが、何が面白いって彼女の誕生日である「12月7日」がこの作品の封切り日でもあり、虚構をもってして現実を塗り替え様としている作品内の姿勢(逆か?)がちゃんと現実世界にも作用しているところ。エヴァを丹念に観てきた人なら「いや、エヴァやん…」の一言で済ましたくなる作品である。逃げちゃダメだ…のカントクにしても精神崩壊後のアスカにしか見えない彼女にしても逃避のための鉄道にしても母親との関係性にしても全てが既視感の塊でしかないが、旧劇を終え抜け殻と化した(?)庵野の自己言及及び自己救済の証と観ればそれなりに価値も見出せようし、何を隠そうこの藤谷文子がべらぼうに好みなもので俺はめちゃくちゃ好きです。これを観ると立島夕子を思い出す。シン・エヴァはこれをやるんじゃないかと思っている。
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