文狸

式日-SHIKI-JITSU-の文狸のネタバレレビュー・内容・結末

式日-SHIKI-JITSU-(2000年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

容姿と職業の一致や舞台が宇部ということはもちろん、謎めいた女性(地下一階にだけは踏み入れてはいけない)を追いかけるモチーフとか、赤の使い方とか、映画の虚構性に対する語りとか、電車の蘊蓄をぶつぶついう感じとか、全編にわたって庵野ぽさを感じた。
シンエヴァのポスターの件があるので、宇部を舞台として、主人公とヒロインが線路を好きな理由を語るシーンが熱かった。「行き場所が決まってる感じが楽」「絶対に交わらないのに2つで1つ」
不在の親(本作では母)との確執から、他者との関係にセンシティヴになった主人公が、映画のラストで母と直接対峙することでひとつ壁を克服するストーリーは、ただのエヴァ。毎日「明日が誕生日」と言って生きる(=終わらない1日を生き続ける=現実から離れて虚構に逃げている)しかなかった主人公が、最後に敗れたカレンダーをつなぎ合わせ、「12月7日が私の誕生日」と晴れやかに言うラストはすごく好きでした。
文狸

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