菅藤浩三

地雷を踏んだらサヨウナラの菅藤浩三のレビュー・感想・評価

地雷を踏んだらサヨウナラ(1999年製作の映画)
3.5
26歳でカンボジアで客死したカメラマン一ノ瀬泰造をモデルにした映画。主演の浅野忠信は、英語とクメール語を駆使して演じてます。日本語は佐賀県武雄市での家族とのやりとりをえがいた10分ほどしかしゃべってません。人はそれなりに死ぬんですが、戦闘のシーンがハリウッドの本格ものに比べるとすこし緩い、日本人監督の限界か。人間の感情を超えてカメラマンになってしまった描写で印象に残ってたのは、カンボジアで知り合いの子供が複数爆死したときに助けようともせずシャッターを切り続けた姿、そして、ベトナムで仲良くなったアオザイの女性とデートしてた時にスコールが降った際に女性が濡れるのを気にもせず自分のカメラが濡れないようにばかり気にしていた姿。戦場カメラマンてどこかネジがおかしくならないと務まらないだね。クメールルージュに囚われて殺される直前に念願のアンコールワットを一瞬だけみれた描写がなされていたが、現実にはアンコールワットはクメールルージュの基地だったので、殺されずに進入することすら無理だった、あれは一ノ瀬の夢をあえて監督が演出してあげたんだろうなと推察。リアルにアンコールワットを見に行ったので何十年か前にはあそこでポルポト派に知識人はじめ100万人以上が殺されたことに思いをいたした。アマプラでは何の規制か、カンボジアとかナチスを描いた映画が配信採用されないんだよね残念
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