オトマイム

キッズ・オールライトのオトマイムのレビュー・感想・評価

キッズ・オールライト(2010年製作の映画)
3.8
レズビアンカップル+2人の試験管ベイビーという4人家族。それまでまずまず上手くやってきた家族に、精子提供者が介入するとどうなるか…
食卓を5人で囲むシーンが作中2回あるんだけど、日本ではなかなかお目にかかれない光景ですよね。その微妙に気まずい空気とか思惑の違いがチラチラ垣間見られるのが面白い。アネット・ベニングとジュリアン・ムーアの演技力はあっぱれ。

作品全般にわたり取り繕ったきれいさは皆無でリアリティが充満している。主演女優ふたりは(おそらく)すっぴんだし、ベッドシーンなんかやたら生々しくてちょっと辟易。そんな中、高校生の娘と息子の若さとみずみずしさには救われる。そしてラストの美しさと切なさにも。

異性であれ同性であれ他人同士が結婚し生活を続けることの難しさが身につまされる。軽すぎず重すぎずのタッチでサラッと観られるけど余韻はなかなか印象深かった。