電気羊

ブラック・ダリアの電気羊のレビュー・感想・評価

ブラック・ダリア(2006年製作の映画)
3.7
アメリカ文学界の狂犬ことジェイムズ・エルロイ原作、バイオレンス映画の巨匠ブライアン・デパルマ監督作品。

複数の事件が絡み合い二転三転する事件の真相が面白かった。

ブラック・ダリアと言う娼婦が顔面を引き裂かれ、胴体を切断されると言う惨殺死体が発見される。
その真相を巡ってロサンゼルス市警のファイヤとアイスと異名を持つ元ボクサーの二人の刑事が捜査に乗り出す。
事件の解決に取り付かれたようになるファイヤ。だが、ファイヤは裏事情を抱えていた。

かつて検挙した銀行強盗の金を横領していたのだ。銀行強盗が釈放される時期になり、報復を恐れたファイヤは逃亡する資金が必要だった。
そのためブラック・ダリア事件の真相に近づくにつけ、土地の富豪が関係していることを掴む。土地の富豪を脅迫し、高跳び資金を強請るが、殺害されたブラック・ダリアに瓜二つの富豪の娘により殺害される。

アイスは、ファイヤの恋人が銀行強盗の愛人だったことを知るが、ファイヤが正当防衛を装い射殺した事実を知る。

アイスはファイヤが何かを掴んでいたことを知り、富豪の元へ乗り込む。事件の真相はこうだった。
富豪の妻の愛人は、富豪の報復により顔面をメチャクチャに破損させられ従者として服従させられる。
富豪の娘は、実は妻と妻の愛人との娘だったのだ。

娘にそっくりのブラック・ダリアというコールガール知り合った愛人は、屋敷の地下室でブラック・ダリアとのプレイを楽しもうとした刹那、嫉妬に狂った富豪の妻が乗り込んできて、ブラック・ダリアを惨殺する。

街を牛耳る富豪一家がブラック・ダリア惨殺事件に関わっていたことを知ったアイスは、ブラック・ダリアに瓜二つの富豪の娘と接触する。
富豪の娘がファイヤを殺害したことを知ったアイスは、全ての決着をつけるべく富豪の娘を射殺するのであった。

だが、これほどの大事件にも拘らず、ブラック・ダリア事件はマスコミには取り上げられることなく真相は闇へと葬られてしまう。

日本でいえば大藪春彦のような骨太のハードボイルド作品で面白かった。
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