koh

ゾディアックのkohのレビュー・感想・評価

ゾディアック(2006年製作の映画)
4.0
1968年から1974年にかけてアメリカで実際に発生した連続殺人事件、通称「ゾディアック事件」を題材に制作された本作。

ジトっとした陰鬱な空気感が漂うこの独特な魅せ方は、多くのサスペンス・ミステリー映画を手懸けてきたデイヴィッド・フィンチャーらしさが詰まっている。
ただ、まずひとつ観る前にお伝えしたいのは、上映時間は2時間40分に及ぶので気軽に観るには向いていないので注意⚠️

主要人物は、当時見習い諷刺漫画家だったロバート・グレイスミス。最初の犯行声明文が送られた新聞社、サンフランシスコ・クロニクル紙に所属する記者のポール・エイヴリー。ゾディアック事件を追った担当刑事のデイヴィッド・トースキー。
事件は未解決のまま、真相は明かされず映画の終幕を迎えることになるのでどうしてもモヤモヤが残ります。単純に事件解明!の分かりやすい展開を期待した人にはどうにも未消化に終わりますが、この「モヤモヤ」こそ、事件に関わった人物たちが人生を翻弄…狂わされ疲弊していった感情を、ある種体感させているのかもしれない。

ゾディアック事件は有名な未解決事件という事もあり、これまでに多くの人物の容疑者説が浮上したり(大体既に死亡している人物のため事実確認が取れない)、半世紀を超えて暗号文が解読されたり、新たな事実が判明してもなお多くの謎は解明に至ってはいない。
koh

koh