ひ

ゾディアックのひのレビュー・感想・評価

ゾディアック(2006年製作の映画)
3.0
U-NEXT無料期間のうちに解約し損ねたよチクショ〜〜!!それはさておき、いいミステリでした。
アメリカでは有名な未解決事件であるゾディアック・キラー。それを独自に調査し書籍化したロバート・グレイスミスを主人公とした映画です。

脚色部分は多いでしょうが、ただの漫画家であったはずの彼を執筆にまで駆り立てたのはまぎれもない狂気です。事件の凄惨さ、奇妙さよりも、その事件によって狂っていく関係者たちが印象的でした。

マーク・ラファロは名優ですね。彼の「人間」を演じることの才能は稀有なものだと思います。また、RDJは「落ちぶれる人間」を演らせたらピカイチですね…。彼自身の経歴も合わせた皮肉のような配役でした。
ジェイク・ギレンホールの好青年さがまたグレイスミスの執念を恐ろしく感じさせるんですよね。普通の、少し変わったどこにでもいる男が、見えない何かと戦う様は「ひき」ます。惹かれるし、引く。怖い。

今となってはアーサー・リー・アレンが実際に犯人だったかどうかもわからず、それどころか半世紀経った今でも新説が現れる始末です。狂気は狂気を呼ぶ。闇の中の真実ほど魅力的なものはありません。掴めないとわかっていても、人は手を伸ばさずにはいられない。
ゾディアックという狂気は、グレイスミスという狂気を生み出したのです。
ひ