浅野公喜

レッドブルの浅野公喜のレビュー・感想・評価

レッドブル(1988年製作の映画)
3.3
シュワちゃん演じるソ連の大尉とジェームズ・べルーシ演じるアメリカ人の刑事が手を組み麻薬王を追うウォルター・ヒル監督のアクション。今作のシュワちゃんといい「ロッキー4」のドラゴといい「ストレンジャー・シングス」のグレゴリといいソ連キャラは無口冷徹屈強というのが定番なんでしょうか(笑)。

設定から期待されたのがシュワちゃんがアメリカに来てカルチャーショックを受けたり様々な価値観や行動のズレを見せたり堅物過ぎて無意識に周囲を笑わし、それに親しみを持ち面白がるベルーシと交流を深め持ちつ持たれつなドタバタアクション・・だったのですがそういった要素は想像以上に控えめで終盤のバスによるカーチェイスを除けばド派手なアクションは少なくベルーシはシュワちゃんの傍観者的立ち位置に留まりがちで同じヒル監督の「48時間」あるいは「リーサル・ウェポン」と比べるとバディ物ならではの醍醐味が欠けている印象でした。どうもウォルター・ヒル監督は個人的に「ウォリアーズ」や「ジョニー・ハンサム」等設定は良いのにそれを活かし切れてないというか大胆さに欠ける作風がちょっと目立つ気がします。

しかし前述のバスのカーチェイスはなかなかの迫力で、かなり前に観たB級C級アクションでもそのまま流用されているのが納得の出来と言え病院における銃撃戦もそれなりでした。マルコムXみたいなローレンス・フィッシュバーンがベルーシの同僚、「ヒドゥン」でエイリアンに体を乗っ取られてたエド・オロスがグルジア人の麻薬王を演じていたのがちょっと驚き。
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