オトゥー

ゴールデンスランバーのオトゥーのネタバレレビュー・内容・結末

ゴールデンスランバー(2009年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

 伊坂幸太郎の小説『ゴールデンスランバー』を読み、感動したので本映画も観ることにした。
 小説ではできない、映像表現ならではの強みがとても良かった。例えば、ニュース番組の悪趣味さや、森田の大学生時代とのギャップ、ショットガンを携え追って来る男の恐ろしさ。
 一方で、仕方のないことだが、原作で自分が名シーンだと感じた部分(爆破される森田、青柳父の言葉を聞いて泣き出す警官など)は実写化されるとシュールさが前面に出てしまっていたように感じる。
 テンポがかなり速めだったのは良し悪しといった感じだった。多少冗長に感じられる部分もあった原作の内容を巧みに2時間強にまとめていたのは素晴らしいが、初見では何が起こったのかわからなかったであろうシーンもいくつかあった(花火屋の息子が急に登場する場面など)。
 総じてみると、話の大筋は普通の映画だが、演出や音楽、特に「Golden Slumbers」が効果的に使われていたことや仙台でロケが行われていたことは素晴らしかったし、細かい箇所に原作への敬意や遊び心が感じられ、原作と併せて楽しみたい映画だと思った。この映画だけ見て原作を読んでいない人は少し長いが是非読んでみてほしい。
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