このレビューはネタバレを含みます
サトル、おまえは一体なんなんだ。
ツムジは先生を殺し、ココは妹を殺したとしても、サトルは何の罪あって施設に来たのかというもの気になるところです。一言に精神異常や自閉症とも違う。登場人物の中で、最も奇妙奇天烈に思えます。
施設内同室での堂々たる自慰行為からはじまり、清々しい屋上にて洗濯シーツ巻き巻き「俺も救ってくれよ〜お」、終いには塀から落下するも自身の致命的な怪我に気付かず「塀、登んなきゃ!」「塀の上! 塀の下! 塀の上!」⋯⋯で、死んでしまう。
こどもみたいな純真、無垢さは三人共持ち合わせているけれど、サトルにはツムジとココのような尖った感じがなく、ほんとうにどこにでもいるこどもの感受性だからこそ、違和感さが際立つのでしょうね。
好きなものは好き、したい事はしたい、でもこわいものはこわい。ずるい、いいなあ、まってよお って⋯⋯⋯⋯。サトル、わたしはおまえがいとおしい。