トシオ88

修羅雪姫のトシオ88のレビュー・感想・評価

修羅雪姫(1973年製作の映画)
3.9
キルビルで響いた梶芽衣子のあの歌声が冒頭から響き激しい殺陣が展開。血飛沫の中、梶の美貌が引き立つ。その後、刑務所での出生の秘密、復讐の経緯などが重い映像と共に展開される。赤ん坊の泣き声が監獄の中に響き渡るシーンは重すぎる。そして忌まわしい両親惨殺のシーン、ついこの間までのブラック日本をそのシーンの背景に覗ける。
両親と兄貴の仇討ちの復讐の闘いがその後展開するが、仕込み刀を振るい白い着物を血飛沫まみれにする殺陣の凄みは最近の邦画には全くない性質のもの。最近はBSのCMでしか見かけないウルフガイ黒沢年男も復讐の助太刀に加わりいい味を出す。西村晃は梶を鍛える鬼師匠住職として凄まじい特訓を課す。
最後は連想ゲーム中田喜子キャプテンがまさかのドスを振るう。
梶芽衣子の凄まじい目力と美貌がこの映画の最大のポイントかも。こんな映画、今では120%作られないだろう。明治時代の日本暗黒史の一頁を覗ける作品。
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