特濃ミルク

回路の特濃ミルクのネタバレレビュー・内容・結末

回路(2000年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

 今まで見たホラーのなかでトップクラスに怖い。でも世界観はちょっと難解かな。説明はしてくれるけど意味深長な感じ。「回路は開かれたんだ。」ちょっとかっこいい。
 この映画にはもちろん暴走するT-REXや下水道のピエロ、チェンソーぶん回し男なんか出てこない。うまく言葉には出来ないが、もっと抽象的であり、それでいて根源的な恐怖が描かれている気がする。
 人間の本質的な孤独、これから確実に待っている死。それらは捉えどころのないものでありながら、大きな黒いシミとなって着々と心の中に広がっていく。人間の最大の恐怖は自分の中に巣食うものなんだと改めて認識させられた。はっきり言って異常なほどの自殺大国の人々ならば、どこか映画と共鳴する部分があると思う。ひょっとすると絶望の度合いを深めてしまう人もいるかもしれない。
 …それでも船に乗り出して、行けるところまで行きましょう。
特濃ミルク

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