このレビューはネタバレを含みます
一癖あるホラーをつくる黒沢清の作家性が、多くの予算を得たことで「行けるところまで行っちゃった」作品。
この作品のシステムはノベライズ版を読まないとたぶん理解できない(私はノベライズ版を読んだ方の解説サイトを見ました)。
「あかずの間」は、死者が溢れかえった死後の世界から死者を転送する装置で、「ゴーストサイト」を介して「あかずの間」をインターネット上に出現させている。
死者の目的は、これ以上死後の世界に人を来させないことで、生者が死者の目を見ると「死後の永遠の孤独」に恐怖して、「黒いシミ」=「無」になることを選ぶ。
「あかずの間」は「開かず」と「空かず」のダブルミーニング。
ノベライズ版では、南米で「永遠に生きる」研究がされていて、そこに向かう。
同僚のマンションに行くミチとヤベ。
船に向かうミチと亮介。
この対称的なシーンで、死亡フラグである「あかずの間」をミチは運命的に回避する。
2024-32/字幕