まぬままおま

吸血鬼のまぬままおまのレビュー・感想・評価

吸血鬼(1932年製作の映画)
4.0
カール・ドライヤー監督作品。

前回の特集上映(2年前ぐらい?)以来のドライヤー作品の鑑賞。
やっぱりドライヤー作品は全然分からないな…感覚が合わないー私の感性の問題ーというか何というか…

事前情報なしでみたから、男のドラキュラが全然登場しないと思っていたが、パンフレットの小松弘さんによる「解説」読んで理解した。ドラキュラといってもシュリダン・ル・ファニュの小説「カーミラ」と有名なものでブラム・ストーカーの「ドラキュラ」があり、前者が女吸血鬼で後者がドラキュラ伯爵だと。そして本作では小説の物語性をほとんど無視していることに…

確かによく分からない。主人公アラン・グレイが女吸血鬼や幻想に恐怖し、打ち勝つ物語かと言えばそうではないし、では吸血鬼の「魔性」を描いたのかと言えばそうでもない。結局、彼とジゼルの単なるメロドラマに回収されているきらいがある。

何だかな…ただ影がひとりでに動くことや霊として透ける表現などはとても面白いし、ジゼルの「魔性」は分かったから、みてよかったとは思う。