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一年の九日のmhのレビュー・感想・評価

一年の九日(1961年製作の映画)
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モスフィルム製のモノクロ日常ドラマ。
ただし設定がふるっており、舞台は核実験施設で、登場人物は被爆した科学者とその妻。「一年のなかから九日を抜き出して描写する」というコンセプトはちょっと意味わかんなかった。過去に遡ってみたいなこともなく、時制についてはオーソドックスなのでストーリーはわかりやすい。
日本語字幕を刻み込んだフィルムをDVD化したものだった。
画面はスタンダードサイズで映像がやたらきれい。いちいち構図も決まってる。モスフィルムの撮影技術すげーよなとちょいちょい思うことをまたしても思う。
ググると監督さんはモスフィルムで教授やってたひと。タルコフスキーにも教えたとのことなので、うまいのも当然か。大粛清を生き抜いてきた映画人ということもあって興味が湧くけど日本でソフト化されてる映画が少なく、かつ、視聴難易度ぶち高い。
主人公を演じているのは、「モスクワは涙を信じない」のゴーシャ役のひとだった。
テロップのタイポグラフィーが、共産主義っぽくてかっこよかった。
淡々と描いた夫婦愛よりも、映像美含めて楽しむ一本。
面白かった。
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