一年の九日の作品情報・感想・評価

「一年の九日」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

字幕、大学の上映会で視聴。
白黒フィルムで所々荒い映像かつ、字幕も旧字や昔ながらの字体ですんごいタイムスリップした感があった…!! 1961年の作品らしいけど1930年代と言われても信じるよ(笑) 感想としてはめちゃくちゃ好きとも言い難いけど心に刺さるところもちゃんとあって、良い映画だったな〜と思う…かなぁ……。(難しい)
放射能を浴びる実験を繰り返したことにより被曝し、自らの余命が短いことを悟りながらも、同じく被曝して亡くなった(のであろう)ツィンシォフ?教授の後を継いで再び一年かけて実験に繰り出す物理学者のグーセフ(ミーチャ)と、彼を心配して力になろうと結婚したが、実験に身を賭している夫との結婚生活に寂しさも感じてるという妻で同僚物理学者のリョーリャ…。(もうこれだけで萌えない?私は萌える✋) そして当初はリョーリャと結婚する予定だったが結局無くなり、良き友人かつ物理学者としてグーセフの実験に協力するイリヤ…! この3人の関係性がね〜…!! 手放しに良かったとは言えん感じあるんやけど(3人がどんな心情なのかぶっちゃけ分かりにくくて読めなかったため)、一人一人の人物がすごく魅力的に描かれてて、うん、愛しい感じはしたよ…!
特にリョーリャの「朝食を作る気になれないなんて私は妻失格だわ」「賢くもない、物理学者としても落第ね」「私の取り柄って何?」「私は悪い妻だわ(←何回も繰り返す)」ってひたすら自分を心の中で責めるシーンが、一見すると病んでるようやねんけど、冷静に自分の心の中を分析しつつ淡々と述べてる感じがすごいリアルで、寂しさ溢れてるの伝わってきた…! でもただ弱々しい女ってわけではなく、レストランでグーセフとイリヤの2人の討論を客観的に冷めた目で分析してるシーンとかもあって、優秀な人物だけど女性でもある、そのどちらかに偏りきってないのが、すごくリアルな「優秀な女性」としての人物像やった気がする…。 1961年で女の人をこんな感じで描けるのか〜っていうのがすごい…! 旧ソ連…!!←
そんな風に、旧ソ連やら当時の時代背景やらも色々と関係してるのが読み取れたのは面白かった! 先述したレストランのシーンでも、物理学者ということが分かった途端すぐ料理出してくる給仕とかいて、当時のソ連でどんだけ科学者やら科学の力が大きかったかが伝わってきたよね…! 登場人物は戦争に対して否定的な見方の人多かったから個人的には良かったな〜と思ったけど、やっぱり戦争と科学の関係とかについてもね…色々思うことあるよね……。(2人の討論でドイツが毒ガス生み出した話とかアメリカが広島に原爆落とした話とかしてるのちょっと胸が苦しかったす、きついす)
グゥってなったシーンとしては、冒頭でグーセフよりも大量に(グーセフが二百レントゲンで教授は八百レントゲンらしいよ)被曝してしまった教授と奥さんのやり取り…! 実験成果をめちゃくちゃ喜びながらもやっぱり死んでしまうことに思うところはあって、一度は追い返して別れようとまでしてみせた妻を呼んでもらおうとするのとか、「き、教授〜〜〜…!お前〜〜〜…!」ってなった…。しかもちゃんとそこでグーセフに「お前は幸せになれ」って言ってんですよ、「物理学のことは忘れて、普通に結婚して、子どもを持って、釣りに行って…」って…。でもグーセフは引き継いじゃうんですけど……。(教授すごい好き)
あとずっとやってきた実験が熱核反応?かなんか求めてた結果じゃなくて?、グーセフの体調を気遣ったため彼には内緒でこっそりイリヤを呼んで実験繰り返してたリョーリャに気づいたグーセフが、「100回のうち1回失敗しただけだ」「また最初からやり直すだけだ、99回やるだけだ」って励ますセリフがすごい好き…!! リョーリャはグーセフに逆に慰められてる形やけど、彼女がいることでグーセフもやり直せるんやなあと思うと…😭 じんわり泣きそうになった。 良いセリフだ、名言だよ…。
ラストシーンはグーセフからの手紙という、「えええええそこで終わるんんんん!??」ってなったし正直一番終わってほしくないとこで終わったけど(笑)、でも手紙の「リョーリャ、もし今手術前にイリヤが酒を持ってきてくれたなら、君と3人で飲みに行けるのに」みたいな内容から感じられるグーセフのユーモアと、伝わってくる3人の関係性が素敵だな〜と思ったよ…。でもやっぱりグーセフ絶対死んじゃうじゃんね、あの感じ…。正直手紙にグーセフのどんな心情が込められてるのか全く分からんというか(「手術を受けたくない、死にたくない」なのか「死ぬのは怖くないし僕は元気で平気だ」なのか「一年前に戻りたい」なのか)、解釈色々分かれるやろうから難しいなー…。でもその終わり方も好きだ……。
三宅唱監督がサイトで述べたメッセージで、「抱きしめたくなる。だが、もう抱きしめられないのだ、というような瞬間がこの2本の映画には残酷に映っていて、それを思うと、たまらない感情がぶり返す。」って言葉がすんごい印象に残ってるけど、『一年の九日』というタイトルの、死に瀕した最後の一年間で本当に大切な九日間を選んだ意味が込められている感じからもそんな愛しさを強く感じさせられました。ん〜、また観たら印象変わる気がするからまた観たい!
蹂躙

蹂躙の感想・評価

3.9
物理研究者が実験して放射能をあびて死ぬか死なないかという話。そしてその妻が色々悩む話でもある。

最後はえええ〜ってなった。手紙のユーモアが泣ける..

グーセフの研究の姿勢も、リョーリャの、夫がずっと考え事してて寂しがるのとかもいいんだけど、特に印象に残るものがない。なんか既視感で..,。結婚式の物理学者のトークはロシアっぽくて面白かったな。

ロシア映画の、お涙頂戴的なテンションがあまり合わないのか、今までみてきた中で特に好きな映画がないのが切ない。ロシア文学大好きなのに。

あと、モスフィルムの独特の灰色...