一年の九日の作品情報・感想・評価

「一年の九日」に投稿された感想・評価

寝てしまった、、

上映会場でいただいた資料によると、この監督はモスクワの国立映画大学でタルコフスキーやコンチャロフスキー、テンギス・アブラゼらの逸材を育てたらしい。絶対いつかリベンジしたい。
研究所の中を這うように動くカメラの仰角ショットを覚えている。
あと確か男二人女一人の映画だったような…
ryosuke

ryosukeの感想・評価

3.8
冒頭、「戻ろう、行き過ぎたようだ」というクリコフ(インノケンティ・スモクトゥノフスキー)の台詞は、直接的には目的地を通り過ぎたことを指しているが、地球の温度が上がり過ぎたという直前の会話や、後に彼が原子力技術の軍事利用に警鐘を鳴らす台詞を考えると、人類の科学との向き合い方についての象徴的な台詞に感じられる。
語り手が一年の中から九日を選び出してくるという試みも興味深い。
長回しの中で緊張感を高め、ヌッと移動するカメラワークやダッチアングル、仰角、俯瞰、手前に物体を配置した遠近の強調を駆使して、無機質な研究所をスタイリッシュに収めていく。研究所の内部のカットはSF感があって良い。
最初の事故でガッツリ放射能を浴びてしまった方のハゲ頭の研究者、ニコライ・プロートニコフが脇役ながら印象深い。最初は気楽に心から実験の成功を喜んでいる常人離れした科学者に見えるが、やがてそれは虚勢だったのかもしれないと思える揺らぎを見せる。呆然と一点を見つめる顔...。
「モスクワは涙を信じない」で好演を見せていたアレクセイ・バターロフの目も印象的。思慮深い印象の目に、暗闇を覗き込んでいるような諦念を感じさせる。
インノケンティ・スモクトゥノフスキーの、皮肉を言う際のハハハッという笑い声も印象に残る。原子力の軍事利用等に対して懐疑的な見方をする彼だが、その表情はむしろ朗らかで楽観的な明るさを示し、バターロフと好対照を生んでいる。
男たちの間で、これまた悲しげな目の演技を見せ続けるヒロインのタチアナ・ラヴロワ。言葉が届かないなら目で語るしかない。
目が印象的なのは本作では人間だけではない。バターロフの不穏な未来を暗示する、実験動物の犬の黒い、暗い目。
三人の食事シーンのカメラワークがかなり凝っている。クレーンで俯瞰からテーブルに寄るショットで始まり、テーブルの接写からクレーンで上昇するショットで終わる。ヒロインにカメラがにじり寄ってクローズアップになる→小津ばりにイマジナリーラインを侵犯してバターロフへ切り返し→そこからは切り返さず、ゆっくりとカメラが半円運動して再度ヒロインのバストショット。ただのテーブル上の会話も撮り方次第なんだな...。
物理学者だらけの結婚式、最悪で面白いな。紙ナプキンに何やら書いて計算し始めたり、重水素の話をし始めて、理解できない婦人に見えないように頭が...みたいなジェスチャーをする。
原子力の軍事利用への懸念が幾度か語られる本作だが、中性子に関する実験において、何度か連続で鳴り響く爆発音のような音は、戦争映画のSEのようにも思えてくるのだった。
実験の危険性や軍事利用の懸念などには目を向けず、現実社会から遊離して抽象的な理念、科学の進歩に殉じてボロボロになっていくバターロフの姿は、生活やヒロインと向き合わず、心ここにあらずの表情を見せるバターロフの家庭生活が破綻していく様子、二人の関係性の危機と呼応している。ヒロインは、本来夫にぶつけるべき言葉が自らに向かわざるを得ず、時に鏡に向かいながら、ボイスオーバーで心情を吐露する。
帰郷のシーンでは、故郷の家の人々が「立ち退かなければいけない」と語る姿や、バターロフの枕元で落ちていくタバコの灰など、全てが一体となって終わりに向かっていくようだ。
これぞソヴィエト映画の風景といった趣の別れのシーンは素晴らしい。画面上9/10以上は空が占めている余白の多いロングショットで、画面下の細長い列車が動き出す。線路に沿って引いていく長いトラックバックの中で、今生の別れとなるかもしれない父が小さくなっていく。
主人公の精一杯のジョークが記された手紙。静かな終幕。
ソ連のSFって、セットがとてもスチームパンクっぽくて好き。

ラストのガラスブロックの壁はとても美しい。

…肝心の話の方は、分かったようで分かりませんでした。
要するに、未知の物質を発見できた!と思ったら、失敗で発見者は大量の放射能を浴びちゃって、死にかけてる…と思っていいの?
奥さんの心の声がいきなりモノローグになってるところ笑う。
研究所の空間が面白い。パイプとか階段とか三叉路になってる廊下とか。
「人間の思考は止められない」とはまさにその通りだと感じた。
buccimane

buccimaneの感想・評価

4.5
真四角に近い画面に研究所の内装がピッタリくる様子からして魅力的だしこれはかなり好きだな。
物理学のことは分からないけどこういうノリというのは伝わってくるし結婚式で話題をけしかけて熱くさせてからダンスに抜け出すとこ笑った。
メインのドラマもさることながら脇の活躍が光っててあの寝てなさいって言うナースもっと活躍してほしかった。
奥さん音を上げるの早くない?という気はしたけど…。
アレクセイ・パターロフさんこういうキャラ以外もできるのか謎だけど好きだな。
A

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社会主義国ぽさのある無機質さがSF感を増す。奥さんがジェニファーローレンスぽい。なんともいえぬ余韻。
sc

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楽しみにしてたのに眠気と腹痛にやられてまともに観られなかった。。
T

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9日後に死ぬ科学者かと思ったけどどうやら違ったっぽい。建物の構造を活かしたカメラ。けど同じくらい帰郷のなんてことないシークエンスのカメラの方もキマってる。
ILC

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2.0
あんま面白くなかったけど父親とのやりとりや最後の手紙はかなり好き。
本当は重々しい事なのにサラッとしてるギャップが泣ける。
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