きゅうげん

A.I.のきゅうげんのレビュー・感想・評価

A.I.(2001年製作の映画)
3.6
原作ブライアン・オールディーズ!
企画スタンリー・キューブリック!
監督スティーブン・スピルバーグ!
画的な目配せからテーマとしての意味深長さまで、スピルバーグの映画愛があふれる、おとぎ話のような”人間ドラマ”です。
個人的には手塚治虫とか松本零士とかを思い出したり……。

わけてもやはり、『ブレードランナー』や『2001年宇宙の旅』など科学進歩とそれ対する倫理観を描く先行作品への、スピルバーグなりのアンサー映画といえるのではないでしょうか。
オスメント君のまさしく”不気味の谷”的な演技は脱帽な一方、しかしキャラクターとしてのテディやジョーは、ロボットらしい没我感と物語展開における立ち位置との間で、地に足のついた存在感を保てていないように思います。ピノキオをなぞるストーリーと近未来ローケーションとの、骨子を支えるリアリティ・ラインのあわいも微妙です。
てか殺人事件いらなくない?
(セクサロイドのジュード・ロウが、めっちゃジーン・ケリーなのは可愛いポイント)
自分で目的を持ち自由に選択し生きてゆくデイビッドは、まごうことなき人間となったわけですが、すべてがニセモノと承知したうえで最良の一日を楽しむのは、あまりにも切なく悲しい最後です。
こういうことが起こらないよう、やっぱり「ロボットは人型じゃなくていい派」として頑張らねば、と改めて肝に銘じました。

ところで「宇宙時間」ってなに!?
“Space Time”って「時空間」とか「時空」とかじゃないの!?!?