このレビューはネタバレを含みます
小さな蝶の羽ばたきが地球の裏側で台風を起こすことがある―カオス理論
主人公エヴァンが日記や映像を通して過去に何度も戻り、人生をやり直す映画。
何かを変えれば、他の何かが変わってしまう。
その時最善だと思ったことも、後の未来では不幸を呼んでしまう。
最初に張り巡らされた伏線をとても綺麗に回収しているし、ひとつひとつの人生に重みがあった。
スピード感、ストーリー性、伏線回収の鮮やかさ。どれをとっても完璧。
本当に大好きな映画。
この映画は以前も観たが、犬を袋に入れて焼くシーンで断念した。
すごくおもしろいが、他人に勧めることをためらってしまう。
それほど辛いシーンや鬱屈とした部分が多いからだ。
この映画の面白いところはエンディングがいくつも存在することだ。
ストーカー編は一番最初にケイリーと出会うときに、エヴァンが彼女を拒絶し、彼女や友達になることがないエンディング。
しかし、大人になり街中で横切るケイリーに目がとまりそのまま彼女の後を追っていく。
このエンディングは監督は好きではないらしい。
やっとの思いで彼女を諦めたのに、彼女の後をついて行ってはいままでのことがすべて無駄になるからだ。
涙のハッピーエンディングは彼女の後を追うのではなく、その場で話しかける。
知り合ってもないのにお互い話しかけるのもおかしいし、またこれもいままでの苦労が水になる。
他にもエンディングがあるのは知っているがまだ観られていない。
この映画をまだ楽しめることがすごく嬉しい。他のエンディングを観るのが楽しみだ。