がく

ワールド・オブ・ライズのがくのレビュー・感想・評価

ワールド・オブ・ライズ(2008年製作の映画)
4.2
めちゃくちゃ面白いなあ。

アメリカCIAによる中東でのテロ組織主犯を探し出す作戦を描く。
しかし軍事介入によるドンパチがメインではなく非常に高度な情報戦。それも組織総動員というよりは潜入先の異国の地に溶け込む一人の優秀なスパイとアメリカ本国から指示を出す上司との1対1のやり取りを中心に話が進む。

ブレインと実行部隊としての主人公との対比が秀逸で、007などのエンタメスパイものとは一線を画す。緩急つけた演出により観客の緊張感は監督に自在に操られているようで心地良い。

アメリカの独善的な態度への皮肉とも取れる、中東を理解するつもりのないアメリカ人と、中東を理解する主人公との袂を分かつ表現は、常々アメリカの行動に疑問を持つ世界中の人々にとってカタルシスを得られる数少ない映画なのでは。
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