けーはち

ロッキー・ホラー・ショーのけーはちのレビュー・感想・評価

ロッキー・ホラー・ショー(1975年製作の映画)
3.7
車がパンクし、とある古城に迷い込む若い男女。そこに住む奇妙な住人たちの開くパーティに誘われるが……。SFホラー仕立ての、変態カルト映画。

★元は舞台演劇。アングラな臭いがプンプンするロックンロール・ミュージカル。当初評判は芳しくなかったが熱狂的に騒ぐファンがついてカルト映画の代表作だとか言われる。なんてことは分かんないまま、ボヤッと観て惹きつけられて何だか楽しい作品。

★舞台はクラシック・ホラーな古城で、主要人物はトランシルヴァニア星(?)の異星人、そしてテーマはフランケンシュタインの怪物(人体錬成)というブッ飛んだB級寄せ集めの世界観に、男女関係なしのセックスや、カニバリズムなどエログロナンセンスがドバッと生じる狂気の変態空間が刺激的でないはずがない。

★75年の英国映画だが、流行を極力排したかったようで、サウンドは50〜60年代的なロカビリー、ロッカバラードの古臭いノリ。ただし、グラムロック全盛の頃なので登場人物たちは男女とも化粧バッチリ、網タイツにボンデージ・ファッションと、セクシーにキメキメである。トランシルヴァニア(ドラキュラの地元)とトランスベスタイト(異性装)の語呂が合っていて何だかやられた感。

★考えるな、感じろ、を地で行く終始訳わかめなエログロナンセンスだが、パンクを先取りしたような尖ったビジュアルに異様なパワーの迸る展開。ファンが貼りつくのも分かる一作である。