Ise

ロッキー・ホラー・ショーのIseのレビュー・感想・評価

ロッキー・ホラー・ショー(1975年製作の映画)
5.0
「理性的な人間」から「動物的な人間」への変化

1970年代、LGBTがまだ大きな話題では無い頃に作られた前衛的なミュージカル作品。

両性愛者であるフランクリン・フルター、完璧な肉体美を持つ人造人間、レズビアン、ゲイの屋敷の人々。

物語序盤、主人公のカップル2人は

「男性らしい、女性らしい」服
「浮気はしてはダメだ」
「男は筋肉ではなく、内面が大事だ」

といった、理性的な人間らしさを重要視するシーンが多く見られた。

物語が進むにつれ、ある転機が訪れた。カップルはフルター博士と一線を超える。
二人とも「相手には言わない?」と
快楽に身を任せる展開が始まった。

以降、中性的なバニーの服に変化し、女性は「筋肉が大好き」といった発言からの人造人間とのセックス、といった変な方向に進んでいく。

ここで映画を観た人は全員思う。
「何だこれ、やべぇ」

やばい、確かにやばい。音楽も素晴らしいし、何を言いたいのか分からない

この映画は特に深く考察するのでは無く、世界観にただ浸る、というのが正解かもしれない。だが、無理矢理にでも考察するのであれば、

「理性的な人間」から「動物的な人間」への変化

だろう。
男とは、女とは、という性に対する固定観念に囚われていた主人公達。LGBTの人々と過激な夜を過ごす内に、段々と理性で物事を考える人間から、快楽に溺れる動物的で自由な人間へと変化する。

アメリカの時代背景をうまく表現している作品なのだろう
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