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ロッキー・ホラー・ショーのおはぐのレビュー・感想・評価

ロッキー・ホラー・ショー(1975年製作の映画)
3.0
リチャード・オブライエン作の大ヒット舞台劇を映画化し、公開後カルトムービーとして根強い人気を集めたホラーミュージカル作品。恩師であるスコット博士に婚約を報告するため、嵐の中車を走らせていたブラッドとジャネット。しかし2人は道に迷った上、車がパンクし山中で往生してしまう。電話を借りようと近くの古城を訪ねると、そこでは目を疑うような奇怪なパーティーや実験が行われており、2人は否応無しに狂乱の宴に巻き込まれていく。
網タイツにガーターベルト、ボンテージなど目を惹く奇抜な衣装とアイコニックな舞台デザイン、ホモセクシュアルやバイセクシャルなど個性豊かすぎるキャラクターたちを刺激的で洗練されたロックミュージックが盛り上げる“アガる”カルトムービー。観客の歓声ありきで盛り上がる作品であるため、舞台や映画館で観るととても楽しめます。自分は舞台で初めて拝見し、序盤は考察不可能なストーリー展開に困惑しましたが、中盤以降はノリノリなロックミュージックにノってただただ楽しめたことを思い出します。インモラルな要素を含むストーリー展開があるため、万人に勧めることは出来ませんが、個人的にとても好きなミュージカル作品です。
現実の世界では固有の性別やセクシュアリティの問題だけでなく、様々な理由で本当の自分を表現できていない人がわたし自身を含め沢山いると思います。しかし、あの古城に集まった彼らは周りの目を気にすることなく、堂々と自分を表現し生き生きと歌い踊ります。現実社会で叶わない“自分らしく自由でいる”姿がスクリーンの中に存在するからこそ、本作が公開されて40年以上経過した今も各国で舞台化されたり、リバイバル上映がなされたりしているのだと思います。
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