Tully

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングルのTullyのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

豪華客船から大人たちが連れ去られ、カスカベ防衛隊がジャングルを進んでいく。はっきりとした悪役が登場するまで、本作は宙吊り状態がしばらく続く。その物語の行き先が見えにくい作りが、ジャングルを彷徨うしんのすけたちの焦燥感と程好く対応していると思う。ヤシの木が鬱蒼と生えている閉塞感と、それによって閉じ込められる熱気。不快な湿度や温度が伝わってくる。だが、悪役が登場するのが物語の中盤のため、キャラクターや行動の動機づけが表面的で薄いのが気になる。人間たちの 「ケツだけ歩き」 の大行進は圧巻だが、全体的にギャグが少な目なのも残念なところ。ただ、単なる勧善懲悪ではない着地点に最終的に到達するのは、本シリーズ通しての良い点だと思う。
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