アリスinムビチケ図鑑

モナリザ・スマイルのアリスinムビチケ図鑑のレビュー・感想・評価

モナリザ・スマイル(2003年製作の映画)
4.2
昔レンタルで観て、今回Netflixで2度目の鑑賞。

"女性の幸せ"がテーマの素晴らしい作品です。


"結婚こそが女性の幸せ、良妻賢母こそが最良の女性"と考えられていた時代の
最も保守的な名門女子大学に赴任して来た1人の自立した女性美術教師と生徒達の織り成すグロウ・アップ ストーリーです。


先生役(キャサリン)に"ジュリア・ロバーツ"、模範生でリーダー的存在の生徒役ベティに"キルスティン・ダンスト"、
その親友で優等生ジョアンに"ジュリア・スタイルズ"、
自由奔放な生徒ジゼルに"マギー・ジレンホール"と、若かりし頃の豪華な女優陣が出演しているのも見どころです。


良妻賢母の教育の元で学ぶ彼女達は、
在学中にプロポーズを受け結婚に至るのが最良の道…。
そこへやって来た美術教師のキャサリンは一石を投じるも"自分で考え行動をし、自分の道は自分で決める"と言う考え方を指し示します。

最初は異質な考え方のキャサリンを受け入れられなく敬遠していた彼女達ですが、
物事の新しい見方を提示し、
時には親身に接し相談に乗ってくれるキャサリンと過ごす内に、
次第と打ち解け感化されて行きます。

個性豊かな生徒達、
其々の立場で変化し、
影響し合いながらも自分の意思で道を選び進む、彼女達の成長する姿に感銘を覚えます。


成績優秀なジョアンに結婚に甘んじるだけではなく、
ロースクールで学ぶ道を進めるキャサリンでしたが、
結局ジョアンは結婚の道を歩みます。

両立だって出来るのに何故?と問い掛けるキャサリンに
ジョアンは、
"自分で考えて決めた道だから、
流されて決めた結婚では無いから後悔は無い"と語ります。


彼女(モナリザ)は笑ってる…
幸せだから?
幸せそうに見える…
それでいいの?
物事は見かけと違うの!

これはタイトルコールとも言えるシーンで、
誰よりも早く幸せな結婚をしたはずだったが、今は冷め切った夫婦生活を終わらせたいと願うベティ(キルスティン・ダンスト)と保守的な母親との会話の一幕です。


理想の女性像とも言える神秘的なモナリザの瞳の奥に隠されたもの…


"妥協は自分への嘘です
ものを見る新しい目が大切なのです"

キャサリンが劇中で言った一言に集約されている様にも取れました。


女性の幸せ、人の幸せとは、
一つの物差しではかなり切れない程数知れず、
ただ流されるのでは無く、
自分で考え選ぶことこそが大切で幸せなんだと気付かされる、
素晴らしい作品でした。