ゆき

WANDA/ワンダのゆきのレビュー・感想・評価

WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)
3.9
暴悪

カラッとした演出で抑圧された環境を描いている分、ストーリーが進み二人の「懸命」さが明確になってくるほど虚無感が大きくなっていった。
成しえたものがないワンダが抱える多くの問題は明瞭。
“Mr.”デニスに連れられていたはずが、結果的にはついて行っていた彼女。
滑稽なシーンも多くて、クスっと笑ってしまう緩急。
大半は二人ともに浮かない表情が続くので、ほっと表情を緩めたシーンの安堵感たるや。
「自ら望みに行かなければアメリカ国民にすらなれない」というフレーズが印象的。もっと時代背景を深堀したい
演者としても女性としても地位を確立していたバーバラ・ローデンが、「従順な女性」をモチーフに手掛けたデビュー作であり遺作。触れられてよかった・・・ケリー・ライカート作品も観てみよう~。
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夫に離別され、家庭も仕事も全財産も失ったワンダ。偶然入ったバーでデニスと知り合い、二人の逃避行は始まる。
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