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青色革命のimaponのレビュー・感想・評価

青色革命(1953年製作の映画)
4.8
やはり日本のスクリューボールコメディはこの頃の市川崑に尽きるのではないか?原作は石川達三。
テンポ良しキャラ良しの群像コメディ。
大学を失職している父親の千田是也ド嵌まり。不器用だけど芯があり学問の理想と若者への視点に長けた好人物。料亭の女将にコロっとイカれちゃう可愛さ。女房の沢村貞子の論理もチョイチョイ的を得ていて笑わせる。
息子二人の名コンビぶり。特に若き江原達怡。演技がまだ未熟な感じも口調が癖になる味わい。
味わいでは勿論伊藤雄之助の頭頂禿助教授。☓1中年の恋と失恋。お相手はチャッカリサバサバキャリアガールの久慈あさみ。
揃う楽しいキャラの中、三國連太郎のオネエキャラが強烈である。てか本物のように上手。もし、このまま役者人生突っ走ってたらと、くだらない事を考えたくなる。この当時でもこのおカマに対して周囲が極普通に接しているのも良い。同性愛者ではなく久慈あさみに純情恋愛感情。ついに結婚にこじつける。
ラスト「若い人たちがビール開けて待ってますよ」この余韻また良い良い。
マスク越しに思わず笑いが漏れる楽しい1本。
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