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狂気のクロニクルのmhのレビュー・感想・評価

狂気のクロニクル(1964年製作の映画)
5.0
三十年戦争(1618年–1648年)を背景にしたファンタジックなボーイミーツガールもの。
捕まったら兵士にされる「イギリス海軍の強制徴募」みたいなくだりから話はスタート。ググるとこの件(=スウェーデンの徴兵)は、三十年戦争でも有名なトピックみたいなのでオープニングにはうってつけ。
脱走兵になったあとはバディものになり、ヒロイン(地元の女性)と出会うも捕まってしまう。
放逐された馬車から軍服を略奪したことが原因で捕虜となったが、戦争の趨勢が変わって今度は、領主の婚約者候補になってしまう。
道化を演じてるヒロインの失敗をとっさのフォローしてくれる領主側のガチ道化とか、なんの伏線もなく首切り役人が助けてくれたりと、サブエピソードも寓話的なのが素晴らしいね。だからってご都合主義にはなってない絶妙なバランスでした。
震えの止まらない伝令とか、相棒の気合の入れかたがハンナ・バーベラのアニメみたいだったりとか、そういうの全部ひっくるめて、めちゃくちゃかわいいのだった。
モノクロとアニメの親和性もとんでもなかった。テリー・ギリアム、ティム・バートンに影響を与えたというのも納得。チェコのアニメーション監督カレル・ゼマンの映画をはじめてみたけどすごい良かったです。
あとこの邦題はまったくだめだね。原題である「道化師の物語」でよかったのにね。
面白かった!
mh

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