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やくざ道入門
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『やくざ道入門』に投稿された感想・評価

名著『現代・河原乞食考』等での映画評がとても面白かったし、あの山城新吾が撮る映画とは一体どんなもんかと期待していたのだが、ちょっと物足りなかった。

菅原文太、梅宮辰夫、力也に成瀬正孝に室田日出男とおなじみ東映やくざメンツに加え、加賀まりこや原田大二郎や中尾彰がいたりと、画面のルックスは豪華だ。
そこにワハハ本舗なんかもいてコメディとしてのにぎやかさはかなり確保されている。
事実上の主人公は菅原文太の息子・菅原加織であり、伝説の男である菅原文太の元で草鞋を脱ぐ、という筋書きだ。
菅原加織の出演作をあまり観ていないので何とも言えないが、少なくともこの時点では華もないし演技もキツイ。
「ヤクザはやめても、男はやめませんから」という台詞はちょっと良かったけど、いかんせん物語全体がコッテコテの人情ドラマすぎる。
制作当時の1994年はおろか、1974年の基準でも古臭いだろう。

和田アキコがゲストのトーク番組で「日本映画は今の貧乏くさい路線ではアカン」などと言っている当時の映像を見た覚えがあるのだが、ならどういう考えでこの映画を作ったのだろう。
プライベートがいかに外道であろうと、俳優・タレントとしての山城新伍は好きだっただけに、この映画の外しっぷりはちょっとショックだなあ。