そんな言うほど悪くはない。
前作があまりに衝撃的すぎた事により、
不運にも過小評価され過ぎているマッドマックス3作目。
まあ、確かに名作ではないけれど、酷評されるほどの出来ではない。
本能を剥き出した様な驚異的な熱量を持ったこれまでの作品に比べて、
本作はジョージ・ミラーの思想が色濃く反映された事により、
なぜか地味で凡庸な印象を受けてしまう。
「あ、あれ?思ってたよりも普通だな…」
これまでのマッドマックスよりも物足りなさを感じてしまうのは、
待ち焦がれていたファンでなくても正直なわかる。
とは言え、彼の持つジェンダー観は1985年の時点で完成され、
もはや現代に通じると言っても過言ではない視点を持っている。
ティナ・ターナーの女性像はフュリオサに受け継がれていく。
1985年の時点でこのような尖鋭的なテーマを語っている点において、
非常に興味深い作品なのである。