ひでG

マッドマックス/サンダードームのひでGのレビュー・感想・評価

3.4
私、変則マッドマックスファンです。

つまり、「怒りのデスロード」のあまりの面白さとクオリティーの高さに完全にやられて、前作を初めて見ているファンなんです。

1は、「なるほど、こうして、マックスはマッドになったのか!」

2は、「すげ、おもしれ〜!あの世界観はこうやって作られたんか!」と

2015マッドマックスと結び付けて観ていた。

そして、3作目。前シリーズのラスト。
シリーズの中でも一番低評価も分からんでもない。
もちろんすげ!面白いんだけどね。
前半のバータタウンの話と中盤以降の子供ばっかりの国の話の繋がりがスムーズではなく、終盤にその二つを無理くりくっつけたカーチェイスって感じはするよね。
映画としてはやや歪。

それから、説明や情緒的シーンがこのシリーズにしてはちょい多く、今シリーズの最大の良さである「スピード感」に欠けてた。

ただ、場面の造形。特に小屋みたいな所での決闘シーンの造り方は惹きつけるし、キャラの個性もまあ半端ないよ。
【あんなんでエネルギー作ってたんかい!その発想には負けたわ〜、絶対あそこで働きたくね〜〜!】

それに、このシリーズが単にカーチェイスを楽しむだけの映画ではなく、貫かれた世界観が生命線だということ。
シリーズの大きなテーマ。

未来への警告であり、もし、あれが起きたら完全なる喪失感、虚無感に完全に支配されるという強いメッセージは十分に伝わっくる。

特に、【トュモローランド】を目指した彼女たちに突きつけられた現実。
逃れようのない現実。

これがないと、【もっとここよりいい所があるかも】になってしまい、【理想郷探し旅】になってしまう。

マックスは彷徨うのだ。永遠に。
そのテーマ性がより濃く出た作品だったと思う。

まあ成功作とは言えないけど、必要な一品。愛すべき一品という感じかな。


それにしても、ここから30年。
この精神や世界観を保ちつつ、さらにシャープに、さらに面白く、新作を復活させたジョージ・ミラーチームには、心から脱帽!
すげ〜て、何万回も叫びたいだろうね。

新作見たいな。

P.S.また「怒りのデスロード」になってしまうけど、「怒りの〜」の批評で、
「マックスが脇に回ってる」て、のがあったけど、この「サンダードーム」を見ると、それも正解だなって感じる。

マックスはスーパーヒーローではない。
彷徨い、それを行きがかり上助けるサポート役なのだから。
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