似太郎

逃亡地帯の似太郎のレビュー・感想・評価

逃亡地帯(1966年製作の映画)
4.5
【逃げる男】

マーロン・ブランドが土地の権力者に悪態をつく保安官を好演したサスペンスで、若き日のロバート・レッドフォードやジェーン・フォンダも競演してる元祖『ノーカントリー』のような群像劇風サスペンス。

監督のアーサー・ペンは本作のあと問題作『俺たちに明日はない』に着手することとなる。アメリカの田舎町のタブーに言及したドロドロ愛憎モノのような作りで、健康的なハリウッド映画とは打って変わってドス黒い人間の本性や暴力性などにも言及している。

元々はホートン・フートの戯曲だが、アーサー・ペンは地味ながらも丁寧な演出力で人間のダークサイドを掬い取る手腕に長けている。マーロンの一見、悪い奴のようで良い奴?みたいな複雑怪奇でアクの強いキャラ造形が圧巻だった。

🌵アメリカン・ニューシネマへの過渡期を象徴する一作と言えるかも…。
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