このレビューはネタバレを含みます
意外に色んな展開・演出があって面白く観られた。
荒涼とした風景が広がる道を一対一でトレーラーと対決する怖さというものが、バックミラーやガラス越しにゆっくりと移り変わる状況によって静かに伝わってきた。
カフェに逃げ込んでからは犯人捜しの疑心暗鬼サスペンスになったりして、また違う緊張感も楽しむことが出来た。
妻からの電話だったり、ラジオの内容だったりからして、家庭と仕事の両方に追われるような焦燥感や気疲れのメタファーとしてとか、ブルーとホワイトの社会格差的な衝突であったりとか、色々と考えようはあるが、顔の見えない無機質なトレーラーが滅多矢鱈に突っ込んでくる様はホラーモンスター的でもあってシンプルにめっちゃ怖かった。
命からがら逃げおおせたはいいが、あれだけ大事にしていた車を犠牲にし辺境の地で座り込み夕陽バックに小石を投げるラストの徒労感が妙に沁みる。