あしからず

早春のあしからずのレビュー・感想・評価

早春(1970年製作の映画)
5.0
痛々しくて美しい少年もの青春映画の傑作。
ロンドンの公衆浴場を舞台に、ジョン・モルダー・ブラウン演じるアイドル顔DT美少年がポール・マッカートニーの当時の婚約者ジェーン・アッシャー演じる年上美女に恋をする。
だけど彼女は経験豊富で婚約者持ち。
軽くあしらわれたDT美少年の行動は徐々にエスカレートしていく。
公衆浴場という特殊なロケーションやその他ペンキなど小道具を巧みに用いた少年のリビドーの暴走の演出が鮮やかという他ない。しかもワザとらしくない。
特に恋する人の等身大ストリップ看板とプールで泳ぐシーンの美しさは格別。
冷静に観ると少年の行動は行き過ぎでヤバいけれど、イエジー監督の見事な演出、カメラワーク、主演2人の演技力で素晴らしい青春映画となっている(あとはモルダーとアッシャーの画面映えするお顔)

町山智浩著書の「トラウマ映画館」掲載作品。少し前は翻訳版ソフトが出ておらず英字幕版を買おうか考えていた所ポーランド映画祭にて観賞が叶った(今は翻訳版出てます)
たしかに予備知識なしに高校生とかで気軽に観ちゃったら衝撃かも。でもその衝撃味わってみたかった気がします。今見ただけでも十分インパクトあるけれど。

とりあえず雪の中でダイアモンド落としたらダメ、絶対。
あしからず

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